資格試験や大学や高校受験などで勉強中の受験生にとって、一番の敵は「自分の心理」です。
受験勉強はつらいので、受験生は、あせり、不安、やる気が出ないなどの負の心理にはまってしまい、受験勉強の効率を低下させてしまうからです。
こうした負の心理になってしまう原因や解決方法は、心理学が教えてくれます。
この記事では、つらい受験勉強の悩み解決に必ず役立つ心理効果を8つご紹介します。
パーキンソンの法則
例えば、子どもたちは夏休みの宿題をギリギリまで手を付けません。
夏休みは長いからまだまだ余裕だと思って遊んでいた結果、最終日に徹夜で仕上げるハメになってしまうのです。
時間があればあるだけ使ってしまうのは、「パーキンソンの法則」が働いているからです。
資格試験の試験日までまだ余裕があれば、勉強を今すぐ始める必要はないと考えてしまうのも、「パーキンソンの法則」が働いているからです。
その対策としては、まずは自分の心理に「パーキンソンの法則」が働いていると自覚し、自分の心理にブレーキをかけましょう。
自覚した上で、自ら積極的に時間管理を行いましょう。

一貫性の原理
3日坊主の悪癖から抜け出し、受験勉強をやり続けるために、この「一貫性の原理」を活用しましょう。
「一貫性の原理」は、自分一人で決意するのではなく、大勢の前で宣言すると強く働きます。
家族、友達、会社の同僚など、できるだけ多くの身近な人に「スケジュール通り受験勉強をやり続ける」と宣言するのです。
宣言することにより、もし三日坊主で終わってしまえば、宣言した身近な人たちに、いい加減な人だと思われてしまう、そう思われたくない、という心理が働くでしょう。
このように、宣言は、あなたの「受験勉強をやり続ける」という決意に「一貫性の原理」を強く働かせます。

エピソード記憶
「エピソード記憶」には、特に覚えようという意識がなくても自然に覚えている、忘れにくい、という性質があります。
この性質をうまく使えば、暗記作業がラクになります。
暗記作業に、そのときの気持ちや感想、身体の動きなどをセットにすることで「エピソード記憶」化してしまうのです。
忘れやすい「意味記憶」を忘れにくい「エピソード記憶」にしてしまうことで、暗記作業の効率を高めることができます。

マジカルナンバー7±2
「マジカルナンバー7±2」も、うまく使えば暗記作業がラクになります。
「マジカルナンバー7±2」の法則では、情報を「まとまり(チャンク)」単位で数えます。
複数の情報を一つの意味を持った情報のまとまりにすること(チャンク化)で、暗記作業の効率を高めることができます。
例えば、英語を覚える場合、単語よりも熟語単位で、熟語よりもセンテンス単位で覚えることで、1チャンクの情報量を増やすことができます。
1チャンクの情報量が増えれば、一度に暗記できる情報量が増えるので、暗記作業の効率を高めることができます。

ツァイガルニク効果
わかりやすく言えば、中途半端な状態だと続きや答えが気になって仕方がない、という心理です。
「ツァイガルニク効果」をうまく活用すれば、勉強の効率を上げることができます。
その日の勉強を、キリのいいところ(例えば参考書の章を最後まで読み切る)で終わらせるのではなく、キリの悪いところ、あと少しのところで終わらせるようにするのです。
このとき、私たちの心理に「ツァイガルニク効果」が作用し、やり残したところが強く印象に残るので、翌日の勉強は、キリのいいところから始めるよりも、はるかに始めやすくなります。
また、キリの悪いところで終わらせることにより、私たちの心理は「達成できていないので、忘れてはいけない」と認識するため、強い記憶が残りやすくなります。

先読みの誤り
わかりやすく言えば、悪い未来が待っていると決めつけてしまう思考のクセです。
例えば、模試で悪い成績をとると、「先読みの誤り」の思考パターンにはまってしまい、「自分はもう合格できない」と、誰にもわからない未来を勝手に悪く決めつけてしまいがちです。
この思考パターンから逃れるには、まず自分の心理が「先読みの誤り」にはまっていると自覚して、冷静になりましょう。
自覚した上で、自分の意識を「未来」ではなく「今」に集中しましょう。

燃え尽き症候群
私たち受験生は「燃え尽き症候群」にかかりやすいと言われているので、その症状や予防法をよく理解し、万が一に備えておく必要があります。
「燃え尽き症候群」になると、情熱や意欲を失い、無気力になってしまいます。
予防法としては、燃え尽きの兆候に早めに気づくことが大切です。
兆候に気づいたときには、自身の生活様式を見直して、セルフケアを行いましょう。

カタルシス効果
受験生は、いろいろなことを我慢し、思い通りにいかないことも多く、過度にストレスを溜めてしまいがちです。
「カタルシス効果」は、そんな受験生のストレス解消に役立ちます。
「カタルシス効果」は「心の浄化作用」とも言われます。
カタルシスは「代償行為」によって引き起こされます。
代償行為とは、自分の本当の欲求を満たすことができない場合に、似た行動をとることで欲求を満たすことです。
受験生におすすめな代償行為としては、映画、カラオケ、悩み相談や愚痴、ノートに書きだす、などがあります。
自分に合った代償行為で心を浄化し、ストレスを過度にため込んでしまわないようにしましょう。

まとめ
以上、つらい受験勉強の悩み解決に必ず役立つ心理効果を8つご紹介しました。
この記事が、あなたの受験生活に必ず役に立つと確信しています。
悔いを残さないよう頑張りましょう!