宅地建物取引士(宅建士)とは、不動産取引法務の専門家を示す国家資格であり、毎年約20万人が受験する“超”人気資格です。
学生・社会人・主婦など属性や性別を問わず、毎年、多くの受験生が集まります。
この記事では、この”超”人気の宅建試験を独学で攻略するための ”超!効率的な勉強法” を紹介します。
私自身が実践して結果を出したこの勉強法は、とことん無駄を省いてやるべきことしかやりません。
どうか無駄に時間やコストをかけた間違った勉強法をしないでください。
宅建試験の基本情報
令和3年度試験日程
受験資格 | 不問 |
申込開始 | 7月1日~7月30日 |
試験日 | 10月17日(日) ※年1回実施、10月の第3日曜日 |
合格発表 | 12月1日(水) |
※正確な情報は公式サイトでご確認ください。
試験型式
- 全問マークシート方式(4肢択一式)、問題数は50問です。
- 試験時間は2時間です。
- 「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税その他」の4科目から出題されます。
合格率・合格ライン
近年の宅建試験の合格率はだいたい15~18%です(令和元年度は10月試験が17.6%、12月試験が13.1%)。
過去10年の合格点は31~37点(全50問)と幅がありますが、だいたい合格ラインは70点ぐらいです。
出題傾向
過去問から見た出題傾向は以下のとおりです。
- 「権利関係」は50問中14問前後の出題です。民法や借地借家法など暗記よりも理解を求める科目です。
- 「宅建業法」は50問中20問前後の出題される最重要科目です。暗記科目であり確実に得点したい科目です。
- 「法令上の制限」は50問中8問前後出題されています。暗記科目であり確実に得点したい科目です。
- 「税その他」からは50問中8問前後出題されています。出題範囲が広く得点しづらい科目です。
難易度
よく「宅建試験は難しい」と言われます。
たしかに、100人中15〜18人しか合格できないと聞けば難関資格のように感じます。
しかし、宅建試験は知名度が高くお手軽に受験できるため、受験生の中には明らかに準備不足の方が相当数いるのが実態であり、合格率15~18%というのは見た目の率に過ぎません。
むしろ数ある国家資格の中では ”簡単な試験”と言えます。
超!効率的な勉強法
そうは言っても宅建試験の出題範囲は相当に広く専門性も高いので、なめてかかるわけにはいきません。
まして、独学で攻略するためには効率良く勉強する必要があります。
ということで、ここからはやるべきことしかやらない ”超!効率的な勉強法” をご紹介します。
教材はたった2冊で十分!
まず最初に教材を揃えましょう。
ズバリ、必要な教材はテキスト1冊と過去問集1冊のたった2冊で十分です。
私の経験上、たくさんの教材に手を出してしまうと、どれも中途半端になってしまうのがオチです。
浮気をせず、コレと決めた教材を何度も何度も繰り返して勉強する方が、学習効率ははるかに高まります。
そのたった2冊ですが、私のおすすめはこの2冊です。
テキストは『パーフェクト宅建士 要点整理』です。
過去問集は『パーフェクト宅建士 過去問12年間』です。
なぜこの2冊をおすすめするかというと…
- このテキストは、要点だけに絞っているのでコンパクトで、図表を多用し見やすくまとめられています。
- このコンパクトで見やすいことが重要で、同シリーズには基本書もありますが、あのボリュームの本を何度も読み返すのはちょっとしんどいです。
- 過去問集は、問題そのものは同じでも、テキストと違う出版社のものを選んでしまうと解説文に違和感を感じることがあるので、できれば同じ出版社のものを選ぶべきです。
- それと、不動産関連資格の教材と言えばやはり定評ある住宅新報社のものを使うのが正解でしょう。
あと、宅建試験では必ず最新版の教材を使いましょう。
民法の大改正(2020年4月施行)が話題になっていますが、「法令上の制限」の中で出題される建築基準法などは毎年のように改正されます。
このように法律は頻繁に改正されますし、特に重要な改正部分はトピックとして出題されやすいので、最新の法改正に対応した教材を使う必要があるのです。
受験スケジュールは試験日から逆算して立てろ!
次に受験勉強のスケジュールを立てましょう。
ポイントは試験日から逆算して受験スケジュールを立てることです。
そうすることにより、やるべきことをすべてやりきった直後、すなわち頭がピークの状態で試験日を迎えることができます。
具体的に説明すると、今から試験までの期間を大きく3期に分けます。
3つの期間を、試験直前から順に、③直前期、②アウトプット期、①インプット期とします。
⇧
② アウトプット期は過去問集をひたすら解きます。
⇧
① インプット期はテキストをひたすら読みます。
この①②③の各期に割り振る期間は、試験までの残り期間に応じて設定します。
もし残り期間が2ヶ月(9週間)なら、①4週間、②4週間、③1週間ぐらい。
もし残り期間が3ヶ月(13週間)なら、①6週間、②6週間、③1週間ぐらい。
一般に、宅建試験に合格するために必要な勉強時間は200~300時間程度と言われています。
しかし、この ”超!効率的な勉強法” を使えば、忙しい社会人を想定しても2ヶ月=90~120時間あれば十分に合格できるはずです。
受験生の属性(学生、主婦など)次第では、1日の勉強時間を増やすことで、さらなる短期合格も可能でしょう。
※ 3ヶ月=90~120時間の計算式
1日の勉強時間を、平日は2時間、土日は計5時間とします。
1週間の勉強時間は、勉強できない日が週に必ず1日あるとして、6日間で10~13時間。
よって、2ヶ月(9週間)なら90~120時間。
3回転学習法でインプット
試験勉強は、必要な知識を頭に入れ(インプット)、その知識を正しく解答する練習(アウトプット)をする作業です。
ということで、まずはインプット学習です。
ここでは、学習効率が高いと評判の3回転学習法を用いてテキストを効率的に読み込みましょう。
1回転目
1回転目は一気に完読しましょう。ここで重視すべきはスピードです。
各科目の全体像を把握すること、これから勉強する試験範囲のボリューム感を掴むことだけを意識しましょう。
おそらく、法律を学んだ経験や不動産業に携わった経験がない方にとっては法律用語や専門用語に最初は相当てこずると思います。
わからない箇所はわからないままでいいのでどんどん読み進めましょう。
徐々にわかってくるので心配無用です。
2回転目
2回転目は、時間をかけてじっくりと読み込みましょう。
「なるほど」と納得しながら読み進めていきます。
1回転目で把握した全体像の中での位置付けを意識しましょう。
この段階では暗記はまだしなくていいですが、重要ポイント、要点や暗記すべき数値などを蛍光ペンでマーキングしておきます。
3回転目
3回転目は、重要度の低そうな箇所は軽く読み飛ばし、2回転目にマーキングした要点等を復習し、暗記しましょう。
「宅建業法」や「法令上の制限」には暗記すべき語句や数値がたくさんあります。
暗記作業はつらいです。こちらの記事では、暗記作業のコツというか、少しでもラクに行うための心理効果を紹介してるので、良かったら見てください。
過去問集でアウトプット
宅建試験では過去問集を使ったアウトプット学習が非常に重要だと言われます。
過去問を数多く解いていけば、試験形式に慣れるし、よく出る論点も見えてきます。
また、例えば文の末尾だけ「…することができる。」を「…しなければならない。」に変えただけの”ひっかけ問題”などにも対応できるようになります。
なにより宅建試験は出題の約7割が過去問の焼き直しだと言われており、過去問をしっかり攻略しておけば本試験のほとんどの問題を解けるようになるのです。
なので、過去問集をひたすら解き、答え合わせをし、復習しましょう。
ここでの復習についてですが、4肢択一式の宅建試験では適当に答えても正解している場合があるので、正解したからといって必ずしも理解できているとは限りません。
正答・誤答に関わりなく、わからなかった選択肢をチェックしておき、後でその選択肢を復習するようにしましょう。
ラスト1週間~10日間は見直しだけ
試験直前の1週間~10日間はむやみに手を広げてはダメです。
テキストのマーキング箇所と過去問でよく間違えた選択肢だけを徹底的に復習しましょう。
そして、前日の晩は早めに寝て、頭も体も万全の状態で試験当日を迎えてください。
宅建試験の超!効率的な勉強法のまとめ
以上が、宅建試験を独学攻略するためのやるべきことしかやらない”超!効率的な勉強法”です。
まとめるとこんな感じになります。
- 教材は、最新版のテキスト1冊と過去問集1冊のたった2冊だけ。
- スケジュールは、試験日から逆算して立てる。
- インプットは、3回転学習法を使って効率的に。
- 1回転目:全体像とボリュームの把握だけを意識。一気に完読。
- 2回転目:じっくり読み込み。重要ポイント等マーキング。
- 3回転目:前回マーキングした重要ポイント等を復習・暗記。
- アウトプットは過去問集だけ。ひたすら解き、答え合わせし、復習する。
- 直前期は、やったことだけ徹底的に復習する。
あなたが宅建士に興味を持ち、資格取得を考えているなら、この記事が必ず役に立つと確信しています。
短期集中して頑張りましょう!!
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