国家公務員一般職(いわゆる国家一般またはノンキャリア)採用試験の一次試験(筆記)に合格すると、受験生は、合同説明会や官庁訪問に参加し、志望する官庁を絞っていくことになります。
試験は難しいので、受験生の多くは公務員になることを目標にしてしまい、筆記試験対策だけ一生懸命になってしまいがちです。
しかし、人生の大半を過ごすことになる職場を決めるのですから、どの官庁に就職するかをもっと真剣に考えるべきです。
公務員にはさまざまな職種や組織があり、それぞれの職場ごとにまったく異なる特徴があります。中には、民間企業顔負けのブラックな職場だってあります。
「自分が何をしたいのか」も大事ですが、残業や転勤などの勤務実態も合わせて検討し、どの官庁に行くかを決めるべきです。
今回は、法務事務官から見た法務局の職場実態をご紹介します。
これらの情報は、私が個人的に、現役やOBなどの関係者から聞いた生の声です。
合同説明会や官庁訪問なんかでは、しょせん上っ面しか見えません。
法務局は果たしてブラックなのかホワイトなのか、なかなか見えてこない本当の姿をお話しします。
法務局に入るためには
法務局に入るためには、「国家公務員一般職」採用試験に合格し、法務局の採用面接を受けて内定をもらわなければなりません。
手続きの流れを示せば、以下のとおりです。
法務局ってブラックなのかホワイトなのか
法務局とは?
法務局は法務省の地方出先機関の一つです。
全国に8法務局(札幌、仙台、東京、名古屋、東京、広島、高松、福岡)があり、国家公務員一般職採用試験の合格者は、試験を受けた地域の法務局の採用面接を受けることができます。
不動産や商業法人の登記、戸籍・国籍、供託、人権擁護、法律支援、国の争訟などの業務を行っています。
法務局って残業は多いの?
部署や所在地により、忙しいところとそうでないところがハッキリ分かれるそうです。
また、登記窓口には繁忙期(年度末や年度初め、会社の決算期が集中する6月など)があり、その時期は残業も相当あるそうです。
残業手当は満額支給されるわけではなく、支給に上限(月○○時間まで)があるそうで、もし上限を超えて残業をした場合にはサービス残業(タダ働き)になってしまうそうです。
近年では、法務局でも、働き方改革やワークライフバランスが重視されています。
特に、2019年度に残業時間の上限(月45時間・年360時間)が定められたことから、残業を減らす取り組みを進めています。
法務局に転勤はあるの?
法務局は出先機関(地方法務局、支局、出張所)の数が多いので、当然のように転勤はあります。
在職中、職員はだいたい2~3年に1回のペースで転勤を繰り返しています。
ただし、同一県内などの狭いエリアでの転勤が基本であり、単身赴任するような遠方への転勤はほとんどないそうです。
マイホーム購入など生活の基盤を定めやすく、他の官庁と比べても、法務局の転勤事情は良好だと言えるでしょう。
その他の法務局の口コミ情報
- 近年、法務局では出先機関の事務の集約化や統廃合を進めています。そのため、小さな出張所などでは法人登記を扱わないなど対応業務を減らしており、出先機関そのものの数もどんどん減らしています。
- 基本は窓口業務なので、時にはクレーマーのような客の相手をしなければなりません。
- 法務局に勤務する法務事務官には、一定の要件を満たせば、退職時に司法書士資格または土地家屋調査士資格が付与される特任制度があります。どちらも難関資格であり、法務局職員だけにある大きな特典です。
まとめ
以上、国家公務員一般職(いわゆるノンキャリ)の人気官庁「法務局」の職場実態を紹介しました。
現役やOBなど多くの関係者から個人的に聞いた生の声であり、これがたぶん法務局の本当の姿でしょう。
転勤や残業、仕事内容などについて、法務局の良い面も悪い面も紹介できたと思います。
法務局を志望するかどうかは、これらの実態も合わせて検討して決めましょう。
もし法務局を志望するのなら、法務局は人気官庁なので相当に狭き門です。国家公務員一般職採用試験で上位の成績で合格するぐらいしなければなりません。
頑張りましょう!