FXでも株でも私たち投資家は、合理的な行動ができずによく失敗します。
この合理的でない心理や、そんな心理のワナに陥らないための対策は、人間の行動の不合理さに着目した行動経済学から学ぶことができます。
FX貯金が貯まらない
FXを始めようと思ったら、まずはFX会社に口座を作り、その口座にある程度まとまった投資資金を入金しなければなりません。
でも、ある程度まとまった資金なんて、すぐ用意できればいいですけど、なかなかできませんよね。
「それじゃあ、FX貯金として〇〇万円貯めよう!」と決心します。
ところが、これが難しいんです。
外食、飲み会、新しいスーツ、スマホの新モデル、趣味の…
次から次へと誘惑が現れてきて、なかなか思うようにFX貯金できません。
そんな人いますよね。(私です!)
FX貯金ができない心理~現在バイアス~
私たちは、なぜ貯金すると決心しても思うように貯められないのでしょう?
人間は必ずしも合理的に行動できないからです。
思うように貯金できない心理は、行動経済学の「現在バイアス」で説明できます。
行動経済学の「現在バイアス」の意味
行動経済学とは、人間が必ずしも合理的に行動しないことに着目し、これまでの経済学では説明できなかった経済行動を心理学的な観察から説明しようとする新しい経済学です。
わかりやすく言えば、「1年後に11万円もらえる」より「今10万円もらえる」に魅力を感じてしまう、そんな心理です。
人間は未来をうまく想像できないので、ハッキリわかる今を優先してしまう傾向があるのです。
マシュマロの実験
「現在バイアス」については、マシュマロの実験が有名です。
ある部屋に子供を入れます。
皿の上にマシュマロを1個置いて、子供にこう言います。
「私が部屋に戻るまで食べるのをがまんすれば、マシュマロを2個にしてあげる。」
しかし、ほとんどの子供は、がまんできずにマシュマロ1個を食べてしまいます。
この実験結果から、ほとんどの子供は、将来の大きな利益より目先の利益を優先することがわかります。
現在バイアスの具体例
「現在バイアス」はもちろん大人にも働きます。
例えば、健康のために今日からダイエットを始めると決心したとします。
しかし、目の前にはおいしそうなお肉やスイーツが。
つい誘惑に負け、「ダイエットは明日からにしよう。」と決心を先のばしにしてしまう。
あなたも似たような覚えがあるのではないでしょうか?
思うように貯金できない心理
冒頭のFX貯金の話では、FXを始める目標のために〇〇万円貯金すると決心しました。
それなのに、決心を先のばしにし、目先の満足を優先させてしまっているのです。
決心の先のばしは、もちろん合理的な判断ではありませんが、私たちは目先の利益を優先させてしまうのです。
目先の満足よりFX貯金を優先させる秘訣
目先の満足より〇〇万円FX貯金するという決心を優先させるには、どうすればいいのでしょうか?
まずは、自分の心理に「現在バイアス」が働いていると自覚することです。
この記事を読んだあなたは、今後もし 貯金よりも目先の満足を優先させそうになったとき、
「これが現在バイアスってやつか~。」
「たしかに目先の利益を優先してるわ」
と自覚し、自分の心理にブレーキをかけることができるでしょう。
自分の心理にブレーキをかけて冷静さを取り戻したところで、改めて、誘惑に負けてお金を使うか、FXを始める目標のために我慢して貯金するか、今どちらを優先すべきか考えるのです。
冷静なあなたは、今度こそ合理的な方を選ぶことができるでしょう。
まとめ
私たちの心理には無意識のうちに「現在バイアス」が働いているので、思うように貯金できないのです。
対策として、まずは自分の心理に「現在バイアス」が働いていることを自覚するのです。自覚すれば、自分の心理にブレーキがかかります。
自覚した上で、将来の利益(目標)と目先の利益のどちらを優先すべきか冷静に考えてみれば、合理的な方を選ぶことができます。
このような合理的な行動こそ、FXで安定的に利益をあげ続けるコツなのです。