FXでも株でも、私たち投資家は合理的な行動ができずによく失敗します。
この合理的でない心理や心理のワナにはまらないための対策は、人間の行動の不合理さに着目した行動経済学から学ぶことができます。
勝ち続けると不安になる心理
あなたは、FXでうまく勝っているとき、それも勝ち続ければ勝ち続けるほど、なにか怖さを感じることはありませんか?
このあと大きく負けるんじゃないか、と不安になってはきませんか?
私はいつもそうなります。
そして、大きく負けるんじゃないかと不安になり、
- 例えば、本来そのまま構え続けるはずだったポジションをさっさと手放したり、
- または、再び灯ったエントリーサインを見送ったりしてしまいます。
このような判断は、もちろん合理的な行動ではありません。
勝っている不安~罰への欲求~
私たちは、どうして勝っていることに怖くなり、間違った行動をしてしまうのでしょう?
人間は必ずしも合理的に行動できないからです。
その心理は、行動経済学の「罰への欲求」で説明できます。
行動経済学の「罰への欲求」の意味
行動経済学とは、人間が必ずしも合理的に行動しないことに着目し、これまでの経済学では説明できなかった経済行動を心理学的な観察から説明しようとする新しい経済学です。
そして、本当に悪いことが起こると、良いことと悪いことのバランスが取れたように感じて安心したりします。
人間は無意識に、人生には良いことと悪いことがバランスよく起こるものだと認識しているので、良いことばかりが続くと不安を感じるのです。
罰への欲求の具体例
例えば、宝くじに当たった人は、
「自分の人生の幸運をすべて使い果たしてしまった。このあときっと悪いことが起こるに違いない。」
と思ってしまうような心理です。
FXと罰への欲求
冒頭の話では、まさに「罰への欲求」により、大きく負けるのではないかと不安になり、
「保有しているポジションを早々と手放してしまう。」
「エントリーサインが出てもスルーしてしまう。」
といった行動をしてしまうのです。
しかし、その不安に合理的な理由はなく、自ら大きなチャンスを逃しているかもしれないのです。
罰への欲求の不安を克服する方法
「罰への欲求」の不安を克服するにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、今の自分の不安な心理は「罰への欲求」が働いているからだと自覚することです。
この記事を読んだあなたは、今後、もし勝ちが続くことに不安を感じたとき、
「これが罰への欲求ってやつか~。」
と自覚し、自分の心理にブレーキをかけることができるでしょう。
自覚した上で、あらかじめ合理的なエントリーのルールや決済のルールを作っておき、厳格にルールに従っていくことです。
そうすれば、「罰への欲求」という心理のバイアスを克服して合理的な判断を下せるでしょう。
まとめ
私たちの心理は、無意識のうちに、良いことが続けて起きたあと、何か悪いことが起きるのではないか、悪いことが起こってほしいという心理になってしまいがちです。
対策として、まずは自分の不安な心理は「罰への欲求」が働いているからだと自覚することです。自覚すれば、自分の心理にブレーキがかかります。
自覚した上で、あらかじめ合理的な投資戦略を作っておき、便利なツールを使って厳格にルールに従っていくことで、心理のバイアスを回避できるでしょう。
このような合理的な行動こそ、FXで安定的に利益をあげ続けるコツなのです。