FXでも株でも、私たち投資家は合理的な行動ができずによく失敗します。
この合理的でない心理やそんな心理のワナにはまらないための対策は、人間の行動の不合理さに着目した行動経済学から学ぶことができます。
三日坊主(継続することは難しい)
投資戦略を継続するのって本当に難しいですよね。
あなたにはこんな経験がありませんか?
- スワップポイント目的で長期保有しようと構えたポジションなのに、急な価格変動が起きて冷静さを失ってしまい、衝動的に手放してしまった。
- デイトレード目的で当日中に決済するつもりで構えたポジションなのに、チャートが予想外の動きをしたせいで決済するタイミングを逃してしまい、ズルズルと保有し続けた。
他にも、
- 保有するポジションはレバレッジ〇倍以内に抑えると決めていたのに…
- ナンピン買いは絶対にしないと決めていたのに…
これらの投資戦略は、FXで勝つためによく考えて自分に課したルールだったはずです。
その投資戦略を守っていれば「必勝」とまでは言えなくても、少なくとも守らなければ「必敗」のルールだったはずです。
それなのに、守ることができず気が付けばズルズルになってしまっている。
子供の頃、親からよく「三日坊主」と怒られていたことを思い出します💧
投資戦略を投げ出す心理~一貫性の原理~
一体どうすれば、この三日坊主の悪習慣から抜け出し、一度決めた投資戦略を継続していくことができるのでしょう?
行動経済学に「一貫性の原理」という心理作用があります。
これをうまく活用すればいいのです。
行動経済学の「一貫性の原理」の意味
行動経済学とは、人間が必ずしも合理的に行動しないことに着目し、これまでの経済学では説明できなかった経済行動を心理学的な観察から説明しようとする新しい経済学です。
人間の本質は真面目なんです。
ですから、一度決めたことや言ったことは変えようとしない性質を持っています。
「一貫性の原理」は、人がなにかをやり続ける強力な力になります。
一貫性の原理が働く原因
私たちの心理に一貫性の原理が働く原因は2つあります。
1つめは信用できる人間だと思われたいからです。
社会的に一貫性のある人は信頼できる価値のある人であり、一貫性のない人はいい加減で価値のない人であると考えられているからです。
2つめは脳にとって楽だからです。
出来事の一つ一つをすべて検証してあれこれ考えるのは大変です。それよりルーチンに従っていれば何も考えなくていいので楽です。
一貫性の原理を強く働かせるワザ「宣言」
実は、この「一貫性の原理」を強く働かせるワザがあります。
「一貫性の原理」は、公共性を持たせることでより強く働くのです。
具体的に言えば、自分一人で決意するのではなく大勢の前で宣言するのです。
例えば、あなたは「ダイエットをする」と決意したとします。
このとき、心の中で決意するだけでは「一貫性の原理」は強く働かないので、三日坊主になってしまいがちです。
そこで、家族や会社の同僚にダイエットすることを宣言するのです。
宣言することにより、もし三日坊主で終わってしまえば周りにいい加減な人だと思われてしまう、そう思われたくないという思いから、「一貫性の原理」は強く働くのです。
FXで投資戦略を継続する秘策
では、あなたは「決めた投資戦略を継続する」と決意したとします。
このとき、心の中で決意するだけでは「一貫性の原理」は強く働かないので、三日坊主になってしまいがちです。
そこで、家族や投資仲間に「投資戦略を継続する」ことを宣言するのです。
夫や奥さんからみれば、わが家の財産が増減する話なのですから、その宣言をやり続けているか関心を持っていてくれるでしょう。
投資仲間に対しては、対等な立場の仲間にいい加減な人と思われたくない、という心理が働くでしょう。
このように、宣言はあなたの「投資戦略を継続する」という決意に「一貫性の原理」を強く働かせます。
まとめ
FXで勝ち続けるためには投資戦略を立てることが重要ですが、その投資戦略を継続することはさらに重要です。
投資戦略を守るために、人間に無意識に働く心理作用である「一貫性の原理」をうまく活用しましょう。
あなたの決意を宣言することにより、「一貫性の原理」はより強く働きます。
このような合理的な行動こそ、FXで安定的に利益をあげ続けるコツなのです。