日商簿記3級(簿記3級)は毎年30万人近くが受験する日本屈指の”超”人気資格です。
簿記3級取得者は、経理・財務担当だけでなく他の職種でも、多くの企業で評価されます。
そのため、学生・社会人・主婦など属性や性別を問わず毎年多くの受験生が集まります。
簿記3級は2019年度に出題範囲が改定されたこともあり、勉強方法で悩んでいる方も多くいると思います。
この記事では、簿記3級を独学で短期攻略するための”超!効率的な勉強法”を紹介します。
私自身が実践し結果を出したこの勉強法は、とことん無駄を省き、やるべきことしかやりません。
どうか時間やコストを無駄にかけた間違った勉強法をしないでください。
簿記3級検定の基本情報
2021年度試験日程
試験は年に3回(6月、11月、2月)実施されます。
正確な日程は日本商工会議所ホームページなどでご確認ください。
第158回 | 2021年6月13日(第2日曜日) |
第159回 | 2021年11月21日(第3日曜日) |
第160回 | 2022年2月27日(第4日曜日) |
出題型式
- 全問記述式、試験時間は2時間です。
- 出題範囲は商業簿記のみ。
合格ライン・合格率
合格ラインは100点満点で70点以上です。
合格率は、ここ数年でみると40~50%ぐらいです。
簿記3級の出題傾向
大問5問が出題されます。各大問には次のような出題傾向があります。
- 第1問(配点20点)では、毎回、仕訳が出題されています。
- 第2問(配点8点~10点)では、帳簿記入がよく出題されています。
- 第3問(配点30点~32点)では、試算表作成がよく出題されています。
- 第4問(配点8点~10点)では、伝票会計や勘定記入などがよく出題されています。
- 第5問(配点30点~32点)では、精算表作成や財務諸表作成がよく出題されています。
簿記3級の難易度
簿記の初学者がまず目指すのが簿記3級であり、試験の難易度はハッキリ言って簡単です。
忙しい社会人でも1ヶ月あれば十分に合格できます。
ただし、2019年度の出題範囲改定により、これまでの2級の出題範囲の一部も出題されることになりました。
そのため、今後は難化していくと噂されています。
超!効率的な勉強法
簿記3級の受験者の多くは、簿記の知識ゼロの初心者だと思います。
一からの勉強になるので、上手くやらないと長期間かかってしまいます。
短期攻略するためには、効率良く勉強する必要があります。
というわけで、ここからはやるべきことしかやらない”超!効率的な勉強法”を紹介します。
教材はテキスト1冊と過去問集1冊と電卓だけ!
最初に教材を揃えましょう。
必要な教材はテキスト1冊と過去問集1冊と電卓だけです。
私の経験上、いろんな教材に手を出すと、たいていどれも中途半端になってしまいます。
教材をコレと決めたら、わき目も振らず、ひたすら何度も繰り返す方がはるかに学習効率は高いです。
まずテキストと過去問集ですが、私はこの2冊をおすすめします。
テキストは『スッキリわかる 日商簿記3級』(TAC出版)です。
過去問集は『スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集』(TAC出版)です。
なぜこの2冊なのかというと、
『スッキリわかる 日商簿記3級』は、かわいいイラストややさしい文章表現で、とにかく読みやすく初学者にピッタリです。簿記3級受験者の中で人気No.1のテキストです。
過去問集については、解けなかった箇所はテキストを見直すことになるので、テキストと同じ出版社のものを選んだ方が連携していてスムーズに見直せます。
あと、2019年度の簿記3級検定は出題範囲が改定されたので、教材は必ず2019年度の最新版を買って下さい。
次に電卓ですが、大きめのものを早めに用意しましょう。
早めに用意する理由は受験勉強中から使い込むためで、使い込んだマイ電卓なら試験本番での打ち間違いを減らせるからです。
大きめのものをおすすめするのも、同様に打ち間違いを防ぐためです。
あとは電卓の便利機能を使いこなすためです。早めにマイ電卓でこれらの機能を使いこなせるようになれば、計算が速くなるだけでなく、キーをたたく回数を大幅に減らすことができるため、結果として打ち間違いが減ります。
受験スケジュールは試験日から逆算して立てろ!
次に受験勉強のスケジュールを立てましょう。
大事なことは試験日から逆算して受験スケジュールを立てることです。
試験日から逆算してスケジュールを立てれば、やるべきことをすべてやりきった直後、すなわち頭がピークの状態で試験日を迎えることができます。
具体的には、今から試験までの期間を大きく3つに分けます。
3つの期間は、試験直前から順に、③直前期、②アウトプット期、①インプット期とします。
⇧
② アウトプット期は過去問集をひたすら解きます。
⇧
① インプット期はテキストをひたすら読みます。
この①②③の各期にどれぐらいの期間を割り振るかは、試験までの残り期間に応じて設定してください。
もし残り期間が2ヶ月(9週間)だとすれば、①4週間弱、②5週間、③3日間ぐらい。
もし残り期間が3ヶ月(13週間)だとすれば、①5週間、②7週間強、③3日間ぐらい。
一般に、簿記3級に合格するために必要な勉強時間は100時間程度だと言われています。
私としては、この”超!効率的な勉強法”を使えば、簿記初学者の忙しい社会人を想定した場合でも1ヶ月=40~50時間あれば十分に合格できると考えています。
受験生の属性(学生、主婦など)次第では、1日の勉強時間を増やすことでさらなる短期合格も可能です。
※ 1ヶ月=40~50時間の計算式
1日の勉強時間を、平日は2時間、土日は計5時間とします。
1週間の勉強時間は、勉強できない日が週に必ず1日あるとして、6日間で10~13時間。
したがって、1ヶ月(4週間)なら40~50時間。
3回転学習法でインプット
そもそも試験勉強とは、必要な知識を頭に入れ(インプット)、その知識を正しく解答する練習(アウトプット)をする作業です。
特に簿記の勉強はアウトプット重視とよく言われますが、それでも知識ゼロの状態で問題を解くことなどできませんからインプットは大事です。
ということで、まずはインプット学習をします。
ここでは学習効率が高いと言われる3回転学習法を使って、テキストを効率よく読み込みます。
1回転目
まずはスピード重視でサッと完読しましょう。
なんとなくでいいので簿記とはどういうものかを掴むことと、試験範囲のボリューム感を把握することを意識して読み進めます。
わからない箇所はわからないままでいいのでどんどん読み進めます。
簿記の知識ゼロの方だと、たくさんの勘定科目や仕訳ルールの複雑さなどに、おそらく最初は面食らうと思います。
そこで、私なりのやり方をご紹介します。
勉強し初めの頃は「なぜそうなるのか?」と理屈を考えてもわからないので、野球やバスケのルールと同じように「そういうルールなんだ。」と思うようにして読んでいました。
2回転目
じっくりと読み込みましょう。
「なるほど」と納得しながら読み進めていきます。
仕訳ルール、勘定科目、帳票の種類と作成の流れなどの重要ポイントを蛍光ペンでマーキングします。
3回転目
重要度の低そうな箇所は流していいので、2回転目にマーキングした重要ポイントを復習し、理解しましょう。
過去問集でアウトプット
簿記では過去問集を使ったアウトプット学習が非常に効果的です。
と言うのも、「簿記は習うより慣れろ」と言われるように、本を読んで覚えるより、手を動かしてひたすら問題を解いていく方が身に付くようになっているからです。
また、簿記3級の試験は、第1問では仕訳、第3問では試算表、第5問では精算表か財務諸表といった感じで、数字だけは変えているものの問題のほとんどが過去問のやき直しです。
過去問を攻略しておけば、本試験のほとんどの問題を解けるようになるのです。
なので、過去問集をひたすら解き、答え合わせをし、復習します。
後々2級にステップアップすることも考え、間違った問題はもう一度解きなおす、テキストにもどって理解しなおす等して確実に自分のものにしましょう。
ラスト2~3日間は見直しだけ
試験直前の2~3日間は過去問でよく間違えた問題だけを徹底的に復習し、本番で対応できるようにしておきましょう。
前日の晩は早めに寝て、頭と体が共に万全の状態で試験当日を迎えてください。
まとめ
以上が、簿記3級合格のためのやるべきことしかやらない”超!効率的な勉強法”です。
まとめるとこんな感じです。
- 教材は、テキスト1冊と過去問集1冊と電卓だけ。
- スケジュールは、試験日から逆算して立てる。
- インプットは、3回転学習法を使って効率的に。
- 1回転目は、全体像とボリューム感の把握を意識してスピード重視。
- 2回転目は、納得しながら読み込み、重要ポイントをマーキング。
- 3回転目は、2回転目にマーキングした重要ポイントの復習。
- アウトプットは過去問集だけ。ひたすら解き、答え合わせし、復習する。
- 直前期は、やったことだけ徹底的に復習する。
あなたが簿記3級に興味を持ち、受験を考えているなら、この記事が必ず役に立つと確信しています。
短期集中して頑張りましょう!!
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