人気の公務員試験の中でも、「財務専門官」試験は、「国税専門官」試験や「国家公務員一般職」採用試験と並んで特に人気が高い試験です。
財務専門官試験は難しいので、受験生の多くは、筆記試験対策だけに一生懸命になってしまいがちです。
しかし、受験生にとって、就職先となる「官庁選び」の方が大事であり、もっと重視すべきです。
公務員にはさまざまな職種や組織があり、それぞれの職場でまったく異なる特徴があります。中には、民間企業顔負けのブラックな職場だってあります。
だからこそ、残業や転勤などの職場実態も合わせて検討し、どの官庁に行くかを決めるべきです。
今回は、財務専門官から見た「財務局」の職場実態を紹介します。
これらの情報は、個人的に、現役やOBなどの関係者から聞いた生の声です。
パンフレットや職場訪問ではしょせん上っ面しか見えません。
財務局は果たしてブラックなのかホワイトなのか、なかなかわからない本当の姿をお話しします。
財務局に入るためには
財務局に入るためには、財務専門官試験に合格しなければなりません。
試験日程は、例年、以下の流れです。
- 6月上旬 一次試験
- 7月中旬 二次試験
- 8月下旬 最終合格発表
なお、財務専門官試験と国税専門官試験は、日程が重なっているため併願できないので注意しましょう。
財務局ってブラックなのかホワイトなのか
財務(支)局とは?
財務(支)局(財務局および財務支局)は財務省の地方出先機関の一つです。
全国に10財務(支)局(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、福岡、九州)があり、国家公務員一般職試験の合格者は、試験を受けた地域の財務(支)局の採用面接を受けることができます。
なお、沖縄県は、財務(支)局の管轄ではなく、内閣府の沖縄総合事務局の管轄になります。
国の予算に関する業務、地方公共団体への財政融資に関する業務、国有財産に関する業務、また金融庁の地方業務なども行っています。
財務(支)局って残業は多いの?
財務(支)局は、他の官庁に比べて残業は少ないと言われています。
ただし、部署や時期によって差があり、忙しい部署もあります。例えば、予算関連や災害査定関連の部署は、繁忙期には残業も相当するようです。
また、残業手当には、月○○時間までといった上限があるそうです。なので、もし上限を超えて残業をした場合にはサービス残業(タダ働き)になってしまいます。
天下の財務局がサービス残業なんて、最初聞いたときは信じられませんでしたが、どうやら本当らしいです。
近年では、財務(支)局でも、働き方改革やワークライフバランスが重視されています。特に、2019年度から残業時間の上限(月45時間・年360時間)が定められたことから、さらに残業を減らす取り組みを進めています。
財務(支)局には転勤はある?
財務(支)局には多くの出先組織(財務事務所や出張所)があるので、必ず転勤はあります。
だいたい2~3年に一度のペースで転勤があります。
ただし、基本は、同一県内などの狭いエリアでの転勤であり、単身赴任するようなことはほとんどないそうです。
マイホーム購入など生活の基盤を定めやすく、他の官庁と比べても、財務(支)局の転勤事情は恵まれていると言えるでしょう。
その他の財務(支)局の口コミ情報
- 財務省は霞が関の最強官庁と言われるほど立場が強い組織ですが、同様に財務(支)局も地方の最強官庁です。
- やはりお金を握っている組織は強いです。基本的に他の官庁は財務(支)局にお願いする立場ですから仕方のないことです。
- 財務局と他の官庁が打合せする場合、他の官庁側は財務局の担当者より一つ上の役職の者が対応するという不文律があるとかないとか。
- 金融機関に対しても、監査する立場なので、明らかな上下関係があります。
- しかし、一般市民を相手にする部署もあり、時にはクレーマーの相手をしなければなりません。あの「森友問題」は近畿財務局の国有財産部門が対応していました。
まとめ
以上、人気官庁「財務(支)局」の職場実態を紹介しました。
現役やOBなど関係者から個人的に聞いた生の声であり、たぶんこれが財務(支)局の本当の姿でしょう。
国の予算を所掌する財務(支)局は地方の最強官庁です。
その上、勤務条件の面でも、給料は高く、残業は少なめで、転勤は狭いエリアと文句なしです。
もし財務(支)局を志望するのなら、財務(支)局は人気官庁なので相当に狭き門です。心して頑張りましょう!