MT4自作EA|「繰り返し注文万能型」完成!

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繰り返しEA完成

以前の記事で、トラリピなどの「リピート系注文」を徹底検証し、その短所を解消する3つの改良アイデアを紹介しました。

今回の記事では、これらのアイデアを組み込んだEA「繰り返し注文万能型」を作ってみたので、少し紹介したいと思います。

 

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「繰り返し注文万能型」の特徴

「繰り返し注文万能型」は、トラリピなどの「リピート系注文」を研究し、長所はそのままに、短所を解消するさまざまなアイデアを組み込んでいます。

 

広いレンジでも十分な取引回数を実現

私たちがFXをする上で最も注意すべきことは、破産しないことです。

安全な設定でやる限り確実に勝てる「リピート系注文」ではありますが、その特性から、想定値幅(レンジ)を反対側に突き抜けると簡単に破産してしまう短所も持っています。

どれだけ利益を積み重ねても、破産してしまえばすべて失ってしまいます。

破産しないためには、最も安全だと考えられる、過去最高値から過去最安値までの広いレンジを想定すべきです。

 

一方、私たちがFXに投入できる資金は限られています。

限られた資金で広いレンジをカバーしようと思えば、普通は刻み幅を広げます。

しかし、それでは取引回数が少なくなってしまうので、投資する意味そのものがなくなってしまいます。

 

この「繰り返し注文万能型」を使えば、広いレンジをカバーしつつ、十分な取引回数を見込める刻み幅を設定できます。

どういうことなのかドル円で具体的に説明します。

 

ドル円の歴史的なレンジは、最高値は1998年の147.63円、最安値は2011年の75.54円なので、最大で約72円あります。

ただし、十分な取引回数を確保するためには、刻み幅は1円程度に抑えたいところです。

 

まずは通常の「リピート系注文」で、1円刻みで約72円のレンジをカバーするとします。

下の式は、最悪のケースを想定し、147.63円で1本目を構えてから、75.54円まで下落した場合の損益状況を表しています。

〇本目:(現在値-建値)×オーダーロット=損益
1本目:(75.57円-147.70円)×1000通貨=-72,130円
2本目:(75.57円-146.70円)×1000通貨=-71,130円
3本目:(75.57円-145.70円)×1000通貨=-70,130円
……
72本目:(75.57円-76.70円)×1000通貨=-1,130円
73本目:(75.57円-75.70円)×1000通貨=-130円

73本の損益の合計:-2,637,490円

この最悪のケースでは、73本のポジションを抱え、総額-2,637,490円の含み損を抱えることになります(資金が足りなければ破産です)。

※計算を簡略化するため、スワップ、スプレッド、手数料、証拠金は無視しています。以下も同じです。

 

これに対し、「繰り返し注文万能型」で、同じく約72円のレンジをカバーするとします。

〇本目:(現在値-建値)×オーダーロット=損益
1本目:(75.57円-111.64円)×1000通貨=-36,070円
2本目:(75.57円-110.64円)×1000通貨=-35,070円
……
17本目:(75.57円-95.64円)×1000通貨=-20,070円
18本目:(75.57円-93.64円)×1000通貨=-18,070円
……
26本目:(75.57円-77.64円)×1000通貨=-2,070円
27本目:(75.57円-75.64円)×1000通貨=-70円

27本の損益の合計:-567,890円

抱えるポジション数は27本、総額-567,890円の含み損で済みます。

通常の「リピート系注文」に対し、抱え込むポジション数は約3分の1(37%)、含み損は約4分の1(22%)です。

 

含み損がこれだけ小さくなれば資金的・精神的な負担は相当軽くなります

これを可能にしたのは、以下のアイデアをプログラムに組み込んでいるからです。

 

①広いレンジを工夫して半分にする

レンジを上下半分に区切り、上半分では売り注文を、下半分では買い注文を繰り返します

これにより、史上最安値まで下落したとしても、このとき既にレンジ上半分の売り注文はすべて決済が済んでいるので、抱え込むポジションはレンジ下半分の買い注文だけです。

なので、実質的に、カバーすべきレンジの広さが半分になります。

(含み損の計算は、レンジ下半分のスタート価格の111.64円からになります。)

 

②刻み幅を工夫して取引回数を増やす

多くの通貨ペアのヒストリカルデータを分析した結果、為替相場では、暴騰や暴落で極端な価格をつけることがあっても、それは一時的にすぎず、ほとんどの期間はレンジ中心付近の価格帯にとどまっていることがわかりました。

そこで、ほとんどの期間に対応する中心付近の価格帯では、刻み幅を狭めて取引回数を増やし、たまに起こる暴騰や暴落時の極端な価格帯では、刻み幅を広げて対応します。

上の計算では、中心付近の価格帯では1円で刻み、暴騰や暴落時の極端な価格帯では2円で刻む設定をしています。

 

①②により、「繰り返し注文万能型」は、少ない資金でも、取引回数を増やしつつ広いレンジをカバーすることができるのです。

 

資金効率を上げるため複利機能を実装

「繰り返し注文万能型」には、より資金効率を上げるために複利機能を実装しています。

 

複利機能では、ロット数は、口座資金の一定割合で決められます。

もし勝ちトレードで利益が出れば、口座資金が増加するので、次のトレードのロット数が増えることになります。

複利は、トレードで得た利益を再び投資することで、利息が利息を生んで大きく膨らんでいくので、利益を積み重ねていけば、グラフは右肩上がりの曲線(二次関数)で描かれます。

 

複利機能をうまく活用できれば、さらに資金効率が上がり、大儲けできるかもしれません。

 

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まとめ

今回の記事は、いろいろなアイデアを組み込んだ自作EA「繰り返し注文万能型」をご紹介しました。

 

「繰り返し注文万能型」は、トラリピなどの「リピート系注文」の長所はそのままに、短所をカバーし、少ない資金でも、取引回数を増やしつつ広いレンジをカバーすることができます。

また、大儲けを目指して資金効率を上げるために複利機能も実装しています。

 

私としても「繰り返し注文万能型」には相当期待していますので、検証用途だけでなく、最終的にはフォワードテストを経て実戦投入したいと考えています。

今後、検証を重ね、向いているペアを探し、最適な設定を探っていきます。

 

【追記】

「リピート系注文」をより発展させた自作EA「繰り返し注文万能型」のプレゼント企画を実施中です。プレゼント企画は終了しました。

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