トラリピ徹底検証①|破産しないために絶対知っておくべきこと

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トラリピ検証Part1

あなたは”トラリピ”を知っていますか?

 

「初心者でも簡単に儲かる」と、今、FXで非常に人気のある手法です。

この種のサービスは、もともとはマネースクエアが始めた『トラリピ』が元祖であるため、多くの方々に「リピート系注文=トラリピ」として知られています。

各社のサービスは、各社ごとのトレーディングソフトの違いなどから細かな違いがあるものの、基本的には同じ手法です。

  • トラリピ|マネースクエア
  • トライオートFX|インヴァスト証券
  • iサイクル2取引|ライブスター証券
  • トラッキングトレード|FXブロードネット etc.

 

ややこしいので、まとめて「リピート系注文」と呼ぶことにします。

今回の記事では、このリピート系注文が、評判どおり”初心者でも簡単に儲かるのか”を検証します。

 

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リピート系注文とは?

このリピート系注文、実は、新しい手法でもなければ、画期的なものでもなく、昔からよく知られた手法なのです。

例えば、ポンド円を1円刻みで仕掛け1円利益が取れたら手仕舞いする、これを繰り返すだけの、昔からあるシンプルな手法です。

トラリピイメージ

では、昔ながらの手法が、なぜ今になって人気が出たのでしょう?

人気の秘密はシステムトレードです

昔は手動で繰り返し行っていた注文作業ですが、現在では自動化され、システムトレードができるようになったからです。

最初に、注文ロット数、利食い幅、刻み幅、最大ポジション数などを設定すれば、後はトレーディングソフトが設定どおりの取引を勝手に行ってくれるのです。

 

例えば、ドル円が110円のときに、取引ロット数は0.1(10000通貨)、利食い幅は1円、刻み幅は1円、と設定すれば、トレーディングソフトが以下のように自動売買をしてくれます。

まず110円で0.1ロット買います。

相場が上昇していけば、111円で決済し、新たに111円で0.1ロット買います。

相場が下落していけば、109円で0.1ロット買い足します。

このような取引を繰り返します。

 

予想レンジ内で上下動を繰り返すような相場状況では、取引を何度も繰り返して利益を積み上げることができるそうです。

ネット上では、「トラリピで合計○○円稼いだ」とか「毎月○○円儲かる」とか、誰でも簡単に儲かる、そんな話であふれています。

 

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バックテストの準備

でも、本当にそんなふうに儲かるのでしょうか?

MT4のバックテストで検証してみましょう。

リピート系注文の機能を持ったEAを作り、買い注文のみ繰り返す「ロングのみ」と売り注文のみ繰り返す「ショートのみ」の2パターン行いました。

 

リピート系注文EAのパラメーターは以下のとおりです。

  • 通貨ペア: EUDUSD
  • ロット数: 0.05(=5,000USD)
  • 利食い幅: 1,000point(0.01USD)
  • 刻 み 幅: 1,000point(0.01USD)
  • 最大ポジション数: 50本

 

MT4の設定は以下のとおりです。

  • 時間軸: 5分足
  • 期 間: 2008.10.01~2018.09.30(10年間)
  • スプレッド: 5
  • スリッページ: 3
  • バックテストの方法: 全ティック

 

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バックテスト結果

バックテスト結果は以下のとおりです。

ロングのみ
トラリピグラフ(買いのみ)

トラリピレポート(買いのみ)

 

ショートのみ
トラリピグラフ(売りのみ)

トラリピレポート(売りのみ)

 

「ロングのみ」は良くないように見えます。

ただし、最後で一気に負けているのは、バックテスト期間の最後に、たまたま大量に残っていた保有ポジションをすべて損切りしたためであり、実運用であれば損切りせずに保有し続けるポジションです。

あと、グラフのところどころで下落しているのは、ポジションを長期間抱え続けたために、マイナススワップが膨らみすぎて、負けトレードになってしまったからです。

 

一方、「ショートのみ」は良く見えます。

ただし、最後まで利益が増え続けているのは、バックテスト期間の最後に、たまたま保有ポジションがほとんどなかっただけです。

 

つまり、ロングとショートの差は「たまたま」の結果であって、バックテストする期間によって結果は逆転します。

 

結論として、無理な設定をしなければ、通貨ペアを問わず確実に勝てそうです

 

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リピート系注文を実践する場合の注意点

この後、いろいろな通貨ペアで検証しましたが、だいたいどれも似たような結果でした。

これらのバックテスト結果から、「リピート系注文」の特徴が見えてきました。

 

安全な設定でやれば確実に勝てるが大儲けは難しい

まず、検証テーマの「本当に儲かるのか」については、安全な設定でやれば確実に勝てますが、大儲けは難しいです。

安全な設定とは、想定レンジを広く、取引枚数を少なくすることです。

例えば、過去の最高値や最安値を参考に安全運用すれば、リスクは小さいですが、小儲けしかできません。

投資である以上、もっと儲けたいところです。

リピート系注文のキモは、リスクと利益をどこでバランスさせるかです。

 

とっても楽ちん

一度設定すれば、後は放置していても、勝手にポジションを構えて利確し続けてくれます。

途中、資金やポジションの状況確認ぐらいはすべきですが、基本的に、何もすることがなく、とても楽です。

 

資金を長期間拘束する

基本的に長期戦略であるため、ポジションを長期間抱え続けるような場合もあり、資金を長期間拘束します。

その間は、資金を移動することも、別の戦略でポジションを構えることもできません。

 

リスクは0にならない

たとえ、史上最高値から史上最安値まで耐えられるほど安全な設定でやっていても、未来のことはわからないので、100%安全とは言えません。

 

向いている通貨ペア

「リピート系注文」は、通貨ペアを限定しません。どの通貨ペアでも相場に対して優位性があり、安全な設定でやれば儲かります。

 

しかし、より儲けが大きくなるペア、つまり、「リピート系注文」に向いている通貨ペアがあります。

具体的には、

  • プラススワップ(ポジションを長期間抱えることもある)
  • 想定されるレンジがせまい(破産リスクを減らす)
  • 狭いレンジで激しく上下動する(取引回数が増える)
  • メジャー通貨(長期投資になるのでより安全に)

こんなペアがいいのではないでしょうか。

 

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まとめ

今回の記事では、トラリピなどの「リピート系注文」が、本当に相場に対して優位性があるのか、評判どおりに儲かるのか、MT4のバックテストで検証しました。

 

結論としては、安全な設定でやる限り、誰がやっても確実に勝てます。しかも楽に。

しかし、儲けが小さめであることや、逆張りの長期投資であることから、資金を長期間拘束する、破産リスクは無視できないなどの短所もあります。

 

これから始める方は、「リピート系注文」の長所・短所をしっかり理解して始めましょう。

総合的に見て、銀行に定期預金するよりも、投資信託に預けるよりも、よっぽど魅力的な投資だと思います。

 

次回のテーマもリピート系注文の予定です。

せっかく同じ機能を持つEAも作ったことですし、このEAを使って、リピート系注文でもっと大きく儲ける方法はないか、いろいろ検証してみたいと思います。

 

 

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